岩窟の聖母
この作品『岩窟の聖母』 は、ほとんど同じ図柄の絵が2つあります。
ひとつはこの画像の方。これはパリのルーヴル美術館に、もうひとつはロンドンのナショナルギャラリーに展示されています。
この絵画は一説によると、「ヘロデ大王の幼児虐殺を逃れてエジプトへの逃避行の途中、岩窟に身を潜める聖母子と、天使に守られた洗礼者ヨハネの姿」が描かれたと言われています。
この天使は大天使ウリエルであるという主張もありますね。
または、外典『ヤコブ原福音書』の降誕説話に基づいて、ベツレヘム近くの岩窟を舞台に、洗礼者ヨハネと大天使ガブリエルを加えたものだという説もあります。
これはつまり受胎告知と降誕、受洗という3つのエピソードを同時に表しているとされます。
このルネサンス期の宗教画には、複数のエピソードを組み入れる画面構成がよく見られるので、もしかしたら後者なのかもしれません。


